葉酸(妊娠)葉酸はビタミンB群のひとつです。その名の通り、菜の花やホウレン草、枝豆、モロヘイヤ、ブロッコリーなどの 緑葉野菜やレバー・豆類などに多く含まれているのです。 葉酸はビタミンB12と一緒に働き 新しい赤血球をつくるために必要なものなので、 ”造血のビタミン”とも呼ばれています。 また、細胞ができるために必要なものは核酸(DNAやRNA)ですが、 葉酸はこの合成に、とても重要な役割をしているものなのです。 特に細胞増殖のさかんな”お腹の中の赤ちゃん”が正常に発育するために 特に重要なビタミンであることは、想像がつきそうですね。 妊婦さんが妊娠初期(~12週)にサプリメントとして 十分な量の葉酸を摂ることで ”胎児の神経管欠損症”(先天異常)疾患の予防が認められています。 胎児の神経管欠損症とは 妊娠初期に脳や神経になる管状の組織が正常に発達しないために 下半身まひなどにつながる二分脊椎や無脳症を起こす疾患です。 原因のひとつとして、葉酸欠乏との関係が言われています。 また1日0.4mg(400μg)の葉酸を投与することによって、 神経管欠損症の72%は予防可能であるとの報告もあるのです。 そこで厚生労働省では、妊娠適齢期の女性すべてに対して、 緑葉野菜や豆類など葉酸を多く含む食品を食べ、 1日に0.4mgの葉酸を摂取するよう勧告したのです(2000年)。 *脊椎の一部が左右に分かれる二分脊椎の出生率は、 日本では出生児1万人に対して3人程度と 欧米に比べて1桁少ないのですが、 過去30年間で約3倍に増加しているとか。 (日本母性保護産婦人科医会報告) 食生活の欧米化が進み、若い女性の緑葉野菜や豆類などの 摂取量が減少している結果かもしれません。 詳しくは厚生労働省の資料をご参照ください。 【神経管閉鎖障害の発症リスクの低減に関する報告書】 http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1212/h1228-1_18.html また妊娠初期(~3ヶ月)だけでなく、 妊娠の1ヶ月以上前から1日0.4mg(400μg) の葉酸を摂るのが望ましいとされています。 ちなみに2006年4月には 葉酸を推奨量以上に摂取している妊婦は7.5%にとどまり、 9割以上は不十分であることがわかったとしていました。 (横浜市立大などの研究グループによる調査結果) 特に妊娠可能な若い女性ほど、 普段の食事から”葉酸”摂取量が少ないこともわかっています。 妊娠1ヶ月前を自ら予測するのはなかなか難しいものです。 是非日頃から、緑黄色野菜など積極的に摂取を心がけたいものですね。 (妊娠したい・したくないに関わらずにですね) |